乙夜さん (7v4692vu)2021/3/21 08:09 (No.71784)削除【名前】雨霧 魁 (あまぎり かい)
【性別】牡
【年齢】26
【容姿】
身長175cmで少し標準より細めで小柄な体格,黒檀の色のストレートのマッシュヘアに,同じ色に染まる瞳を持つ男性.左の目の下にはちょこんと小さく涙ボクロがついている.彼は化粧の類が好きなのかうっすらと苺色のアイシャドウを淡く妖艶にひいている.服装は和装で,深縹色の生地に瑠璃色や群青色で彼岸花の刺繍が丁寧に施されたものを身につけている.その上から同系色の濃藍色の羽織に青白い月と雲が刺繍されたものを着ており,パッと見るとただの青く暗い不思議な人.勿論,和装と言うくらいだから足元にも白い足袋と下駄を履いている訳だが,下駄のデザインがなんとも奇抜で,歯の部分が通常は2割ほどであるのに対し彼のものは8割を占めており,残りの2割のみが空白の部分になっている.さらに,その空白部分には龍の音の異名を持つ不可思議な音の鈴が着いており風が吹いたり彼が動いたりすると“シャラン”と心地の良い音をたてる.だがそれは…時にはかなり煩い騒音器具にも成り果てる.色は黒色.着物をとめる帯も同系色のもので,薄花桜の色をうつす.帯の上には飾りとして造花の青い彼岸花が差し込まれている.気分によっては銀縁の丸眼鏡をかけていたりするが,別に視力が悪い訳では無いので基本的には何処かにしまっていたりする.手や指は少し骨ばっている.耳には紫陽花色の紐と鈍く輝く蒼色の石のついた耳飾りをつけており,何時も風に優しく遊ばれている.羅宇煙管を愛用しており,煙管が収納できるように煙草入れや,煙管入れを古くなった和服頂き物を活用して作り腰に下げている.衣服で見えなくはなっているが,左腕の上の方と背中1面に醜い火傷の痕が残っている.彼からは何時も煙管と石鹸の香りが混ざっているようなものが漂っている.
【性格】
表面上は温厚で優しく,少しふわふわとしている淡いしゃぼん玉のように感じられる.ただし,その本質は虚言癖を持ち,簡単に嘘を吐くかなり面倒臭い人間.口からから零す言葉は嘘であるのか誠であるのか判別が難しく,相手が誰であろうと彼の真意を探ることは難しい.嘘吐きの彼を信じるのはあまりオススメ出来るようなことでは無いだけは確かである.まぁ…彼を嘘吐きと見抜けたら…という話ではあるが.更にタチが悪いことに,変に賢いところがある為か対話相手に吐く嘘や言い訳,反論を無数に考えており,彼が言葉で戦えば負けることなどほぼないだろう.自分が嘘吐きであるためか,対話相手も余程の手練出ない限りその言動が誠なものなのかは案外容易に推測できたりする.嘘を吐く時に周囲の状況や人間を見たりするためか探し物が得意で,誰かが何かを探しているとわざわざ口から音を発さなくても探し物をあっという間に見つけられたりする.まあ,それを無償で返却してあげるほど彼が慈悲深いかどうかは分からないが.因みにお金にあまり興味はなく,興味があるのは非日常的な出来事や人の甘くて苦い思い出話,驚いた顔や恨む顔などの人の鮮やかで豊かな表情等.それらを対価として要求することはそうそう珍しいことではない.嘘吐きで悪戯好きな変な人っていう認識が1番楽かもしれない.
【過去】
彼はとある町の路地裏にある小さな貧しい呉服屋の一人息子としてうまれた.彼は勉強も運動も何もかもが平均的で平凡な子供だった.ただし,空想や嘘の世界を除いては.彼が一度世界や登場人物を創って話を始めようものならば,其れらが本当にここに…この世界に実在しているのではないかと錯覚するほどその世界に浸らせることができた.彼が一度嘘をつこうものならば,嘘は誠へとなり誠は嘘へと……どれが事実でどれが嘘の霞かなどあっという間に判別不可能になってしまった.これは…他の何もかもが平凡な彼にもたらされた唯一の才能だったのかもしれない.使い方を間違えなければ人を幸福にできる力そんなものを彼は持っていた.彼が10歳頃のこと,売れ行きも上がりお得意様もできてきた呉服屋に嬉しい申し出が飛び込んできた.もっと人の集まる通りで店を開かないか?と.貧しく小さなお店しか持っていなかった両親はそれを喜び,その申し出を受けることにした.お店を整理し,役所に出入りし…大変ではあるが充実し,その先を想像するだけでとても甘美な時間であった.ところが,店の引越しの前夜.雨霧一家の住んでいた住居兼呉服屋が原因不明の大火災をおこす.建物は全焼.2名死亡,1名火傷を負い重症.そんな状態に…甘美な夢から痛々しい現実へと叩き落とされた.背中と左腕に火傷を負えども辛うじて生きていた魁は医師たちの懸命な治療により一命を取り留めたそう.その後彼は祖父母の家で自立するまでの時間を過ごした.
【追記】
普段は古書屋兼,便利屋を一人で営む男性.好きなことは色々とあるが,特に好きなのは本を読むこと.その中でも古書を読んだり探したりするのがとても好き.今では絶版になり入手がとても困難で高価なそれを探し見つけた時の感情の高揚感,それが彼にとっては堪らなく幸福な時間であるから.口調は何故だかは分からないが“〜じゃ”や“〜ろう?”等の物語に出てくるベターな老人のような不思議な口調.因みに一人称は儂.二人称はお嬢さん,お坊ちゃん.三人称はお前さん達,お主ら等.霞のようで柔らかく甘い声をもつ.好きな物は性格に記載したものに加えて,和風なものや骨董品,珍しいものや古書等.嫌いなものはピーマンと片仮名.片仮名や外国語にとても弱く,それらの言葉を発音したりする時は必ず平仮名の柔らかい感じの語に変換されてしまう.嘘をつくのが得意なので当然,賭け事も得意.しかし“いかさま”をする前提で.化粧は昔母親が接客をしながら和装にあうそれらの施し方を説明しているのを散々みてきたため,ごく当たり前に…自然に身についてしまったもの.最初は自分の顔に何かを塗るなど気持ち悪くてしようとも思わなかったが,1度やって見ると化けると書く理由に頷けるほど,己の姿の化ける度合いに面白さを感じ,今ではほぼ毎日何かしらの化粧が彼の顔には施されているよう.この危険なお茶会に迷い込んでしまった理由は単純で,便利屋に来た仕事の依頼.廃れた神社に流れていた神隠しの噂の調査をして欲しいという依頼を受けその場に訪れて周辺を探索していた.すると…そのまま迷い込んでしまっただけ.それだけ聞けばなんとも不運で可哀想かもしれないが,彼にとってはそうではなかった.こんな不可思議で面白いこでと…知らぬ世界に迷い込むなど自分が体験出来るなど幸運だと…心の底からそう思えた.
【SV】
『神隠しの調査に来たはずが…儂が其れにあってしまうとは…なんとも面黒い(くふふ と笑いを零し)』
『此処はなんとも不可思議な場所じゃのぅ…(シャランと足元の鈴が音をたて)』
『…?儂は名を霞というものじゃ.ん?嘘じゃよ真に受けないでおくれ,愛らしいお嬢さん.(にへらと笑って)』
『煙管は良いぞ…,葉巻よりも煙草よりも儂は好きじゃ(煙管を昔の遊女のように扱い)』
『お嬢さんの瞳は美しいのぅ…淡く輝く宝石の様じゃ(濁った瞳の誰かを見つめて/嘘)』
『あぁ,儂は魔法使いじゃよ,不思議な力をお望みかな?お坊ちゃん(にこりと笑っては火のついていない煙管をくるくると回し/嘘)』
『嘘吐き…じゃて?それは儂に対する褒め言葉かのぅ?嘘は素晴らしいでは無いか,有名な演者も作家も嘘の世界を誠の世界に見せているのであろう?それが賞賛されているのであろう?…ならば,儂がこうして嘘を吐くこと…それの何が悪い?(光の無い瞳でまっすぐと見つめニヤリと口角を上げる)』
『ふむ…彼処に並ぶのが“てぃーたいむ”用の“てぃーかっぷ”とやらか…中々面白い形状をしておるのぅ…(遠目より茶会の様子を眺めて)』
『完璧な嘘は…人間を,世界をも魅力するのじゃ(恍惚の笑みを浮かべ)』